先日、マイクロフォーサーズの強みと弱みについて記事にまとめました。その時も書きましたが、マイクロフォーサーズの特徴の一つに被写界深度の深さ、つまりは背景がボケにくい、というものがあります。

フルサイズとの併用であれば問題ありませんが、マイクロフォーサーズだけでシステムを考える場合、背景ボケのためのレンズは用意しておく必要があります。
マイクロフォーサーズとフルサイズのボケ量は絞り2段分の差があります。
よって、マイクロフォーサーズのF1.4とフルサイズのF2.8のボケ量は同等になります。
マイクロフォーサーズで背景をボカした表現をしたい場合、F1.4以上の明るいレンズが必要になる、というわけです。

背景をボカす際にオススメのレンズ
背景をボカしたい場合、なるべく低いF値のレンズを使うことも大切ですが、焦点距離が長めのレンズを使うこともポイントです。同じF値でも焦点距離が24mmよりは35mm、35mmよりは50mmの方が背景がボケやすいためです。
マイクロフォーサーズの場合、背景ボケのためには 35mm換算で50mm以上の焦点距離のレンズ を使うのがおすすめでしょう。
実際にオススメのレンズを何本かご紹介します。
M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO

35mm換算50mmの単焦点標準レンズです。オリンパスのPROシリーズ単焦点レンズはF値が1.2と非常に明るいものが多く、背景をボカしたい場合は非常におすすめのレンズです。
ボケ量は フルサイズ換算でF2.4相当 ですので、しっかりと背景をボカした描写ができるでしょう。50mmという焦点距離はどんな場面でも使いやすいですので、とりあえず一本持っておくという場合にはこのレンズを候補に入れてみても良いかもしれません。
LEICA DG SUMMILUX 25mm/F1.4 II ASPH.

M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PROと同じく、35mm換算50mmの単焦点標準レンズです。
使うカメラがパナソニック機の場合、AFの最適性などを考慮するとこちらが選択肢になってきます。
ボケ量は フルサイズ換算でF2.8相当 となかなかのボケ量です。50mmという使う場所を選ばない万能な焦点距離ですので、写真撮影だけでなく動画撮影でも使いやすいレンズです。
M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PROと比べるとF値がわずかに低いですが、その分レンズ本体は軽量コンパクトに仕上がっています。
LEICA DG NOCTICRON 42.5mm/F1.2 ASPH./POWER O.I.S.

35mm換算85mmの中望遠レンズです。F値は1.2と、パナソニックのレンズとしては 最も明るい です。
ボケ量はフルサイズ換算で2.4相当となり、中望遠という焦点距離と相まってかなり背景をボカす ことができます。
ライカ監修の美しくにじむボケに加え、特殊レンズを何枚も使った贅沢な光学性能のより、非常に高画質な写真を撮ることができるでしょう。マイクロフォーサーズでポートレートを撮るなら是非とも選択肢に加えたい一本です。
M.ZUIKO DIGITAL ED 45mm F1.2 PRO

35mm換算90mmの中望遠レンズです。F値は1.2ですので、中望遠レンズという特性上かなり背景をボカすことができます。
オリンパス機でポートレートを撮りたい場合、こちらのレンズが候補になってくるでしょう。
まとめ
マイクロフォーサーズはボケない、というのは、マイクロフォーサーズを批判する意見としてよく聞かれる言葉です。しかし、写真というのはボケれば良いというものではありません。
効果的に狙ってボケた写真を撮るのであれば良いのですが、全ての写真にボケを取り入れれば良いというものではないのです。
マイクロフォーサーズのボケない性質が時として武器になるというのは以前も言った通りですが、マイクロフォーサーズでもボケを効果的に使った写真というのは十分撮影することが可能です。
大切なのはセンサーサイズにこだわりすぎないことですかね。