Hasselbladから発売されている中判ミラーレスカメラの『Hasselblad X1D-50c』を購入しました。
このカメラは、44mm×33mmサイズのセンサーを搭載している、いわゆる「中判ミラーレスカメラ」というカメラに分類されます。
さらに、私が購入したのは限定モデルの『4116 Edition』です。ブラックボディとオレンジのシャッターボタンの配色が非常にかっこいいですね。
今でこそ中判センサーを搭載しているミラーレスカメラは富士フィルムからも発売されていますが、かつては『Hasselblad X1D-50c』だけが唯一の存在でした。
このカメラは私にとって非常に思い入れがあるカメラで、2020年頃に新品で購入し、以来ずっと愛用していました。その後、諸事情によりカメラを手放さなければならなくなり、泣く泣く某カメラショップへ売却した という経緯があります。
その後、しばらくカメラ生活なしの期間があり(フィルムカメラで遊んだりはしていましたが)、PENTAX K-1 Mark IIを購入したと同時に開設したのが写真ブログ『35mmの奇跡』になるというわけです。
しかもこのカメラ、かつて私が新品で購入した個体と同一のもの のようです。シリアルナンバーが一致しているので間違いありません。
私が売却してからずっとカメラショップに眠っていたのか、誰かに買われて再度売られたのかはわかりません。それでも、かつて愛用していたカメラが再びこの手にある というのはなんだか感慨深いです。
もともと全く購入する予定のなかったカメラなのですが、運命的なものを感じてしまい、ついつい入手してしまいました。
今後、カメラを手放すような自体が再び起こることはまずないと思いますので、今後は末長く愛用したいと思っています。
再開を祝し、本日は『Hasselblad X1D-50c』について使い勝手をまとめてみたいと思います。
スペック
マウント | ハッセルブラッドXマウント |
イメージセンサー | CMOS、5000万画素 ( 6200 × 8272 ピクセル、5.3 × 5.3 µm ) 32.9 × 43.8 mm |
画素数 | 5000万画素 |
ISO | 100~25600 |
ファインダー | XGA (約236万ドット) |
視野率 | 100% |
モニター | 3インチ (92万ドット) |
シャッター | レンズシャッター |
シャッター速度 | 1/2000秒-60分(レンズシャッター) |
連続撮影速度 | シングルショット(1.7-2.3コマ/秒) |
露出計測 | スポット、中央加重、中央スポット |
サイズ | カメラボディのみ:150.4 x 98.1 x 71.4 mm (幅 X 高 X 奥行) |
重量 | 725 g (カメラとバッテリー含む) |
中判カメラ、それも2017年に発売されたカメラですので、昨今の「1台で何でもなんでもそつなく撮れるカメラ』の対局に位置するようなスペックです。お世辞にも万能なスペックとは言えません。
AFはシングルAFのみ、連写も1.7-2.3コマ/秒、もちろん手振れ補正はありません。基本、動きものなどの撮影は無理と考えておいた方が良さそうです。
一方で、フルサイズの1.7倍大きなセンサーによる圧倒的な画質は2022年でもまだまだ現役 です。また、RAWデータが16bitあるため、幅広いダイナミックレンジを誇っています。人物撮影や風景撮影では非常に心強い存在になるでしょう。
得意と不得意が非常にはっきりと別れているカメラ と言えます。
外観
ポイント
Hasselblad X1D-50cの良い点と悪い点について、ポイントとなる特徴をまとめてみたいと思います。
スタイリッシュなデザイン
このカメラは何といってもデザインがめちゃくちゃかっこいいです。この見た目のためだけに購入しても後悔しないかもしれません。
間違いなく所有欲は満たしてくれるでしょう。
この辺りは機能性を第一に考えている日本のカメラと大きく異なるところかなと思います。
また、デザインだけで使い勝手が悪いかというと決してそんなこともなく、ボタン配置が非常にシンプルですので操作性は良い です。
圧倒的高画質
Hasselblad X1D-50cにはフルサイズより約1.7倍大きな44mm×33mm サイズのセンサー(=中判センサー)を搭載しています。
センサーサイズが大きいと、よりたくさんの光を取り込むことができますので、画質の面で有利になります。
その分使うレンズは大きく重く、さらに高いというデメリットはあるのですが、それを補ってあまりある画質面でのメリットがあります。
また、Hasselblad X1D-50cのRAWデータは16bitありますので、編集の自由度が非常に大きいです。RAW現像で多少無理な編集をしても絵の破綻が見られないのはこのカメラならでは と言えます。
起動が遅い
Hasselblad X1D-50cは非常に良いカメラであることは間違いないのですが、もちろん弱点もばっちりあります。
まず気になるのは何といってもカメラの起動に時間がかかる ことでしょうか。電源ボタンを押してから撮影可能になるまで10秒ほどかかります。一昔前のパソコンかよ
一度電源さえONにしてしまえば、スリープモードが使えるので次回からの撮影では一般的なカメラレベルで撮影可能ではあります。ただ、このスリープモード、ずっと使っているとカメラ本体の温度が上がってくるんですよね・・・。
ボディ本体がアルミで作られており熱伝導率が高いからだと思いますが、夏場なんかは熱停止しないかが少し心配になってきます。
出来ないことが結構多い
発売当初、新品で100万円近くしたカメラですが、だからと言って日本のカメラのようにどんな撮影もそつなくこなせるような万能性はありません。
手振れ補正はありませんし、瞳AFはおろかAF-Cモードすらありません。AFはシングルAFのみです(しかもAFエリアもシングルのみ)。
最近のミラーレスカメラに当たり前のように搭載されている多くの機能を『Hasselblad X1D-50c』では使うことができないという点は留意しておく必要があります。
まぁ、逆にいうと少し不便なだけで、動きものなんかじゃない限りだいたいの写真は撮れるので心配しなくて大丈夫ですけどね。
レンズについて
同梱されていた『XCD 3,5/45』を使っています。
キットレンズのような立ち位置のレンズですので(値段は全然キットレンズではない)、Hasselblad X1D-50cやX1D II 50cで最も多く使われているハッセルブラッドXマウントのレンズではないかと思います。
35mm換算で焦点距離は36mmほどですので、非常に使いやすい画角のレンズです。F値は3.5とそこそこですが、その分レンズは小さく軽く、使い回しが良好です。
ハッセルブラッドXマウントで初めの一本としておすすめできるレンズです。
L型ブラケット
一緒にL型ブラケットを使っています。
実はこのL型ブラケット、X1D-50cを手放す前から購入していたのですが、使う前にX1D-50cを手放してしまったため、結局一度も使ったことがありませんでした。
X1D-50cを再度使うことになったため、晴れて使用の機会を得ることができたというわけです。
L型ブラケットとして特に特筆する点はありませんが、クオリティはまずまずで使い勝手は良好です。
作例
作例は全てRAWで撮影したものをLightroomで現像したものです。Hasselblad X1D-50cにはソニーの『クリエイティブルック』やPENTAXの『カスタムイメージ』のようなものはなく、レタッチ前提のカメラになります(一応JPEGは撮れるけど)。
私は他のカメラでも基本RAW現像する派なので気になりませんが、JPEG撮って出しが好きな方にはあまり向いていないカメラと言えるかもしれません。
まとめ
完全に衝動買いの類でしたが、結果としては買ってよかったと思える満足のいく買い物でした。
手放した経緯が本意でなかったというものもあり、かつて所有していた同一の個体と巡り会えたことに運命のようなものを感じています。
使い勝手についても初めこそ少し戸惑いましたが、少し使うだけですぐに思い出しました。これまで使っていたカメラという強みですかね。
一方で、なかなかクセの強いカメラであることは間違いありません。今後しっかりと使い込んで、自在に使いこなせるようになりたいと思います。
カメラ増やしすぎ問題・・・
それにしても、我ながら最近カメラが増えすぎているなぁと感じています。
現在私が所有しているカメラは以下の通りです。
- PENTAX K-1 Mark II
- PENTAX K-3 Mark III
- SONY α1
- LUMIX G9 PRO
- Hasselblad X1D-50c ⇦NEW!!
どれも思い入れのあるカメラではあるのですが、さすがに機材を増やしすぎました。こんなに持っていても使いこなせないので、そろそろ機材整理しようかと考えています。
Hasselblad X1D-50cはかつての愛機として思い入れが非常に強いカメラです。手放してしまった負い目があり、さまざまな機材に浮気してしまっていましたが、まさかの同一個体と再会でき、今後はスチル撮影のメインはこのカメラにしたいなぁと考えています(野鳥は無理だけど)
スチル撮影:Hasselblad X1D-50c
動画撮影&野鳥撮影:未定
こんな感じでいこうかと。
動画撮影と野鳥撮影を両立できる機種を何にするかは考え中です。性能だけで言えばα1ですが、ちょっと万能感高すぎて面白みに欠ける気もするんですよね。。
少し考えたいと思います(^ ^)