本日は「LUMIX Gシリーズ」のレンズのうち、動画撮影に向いているオススメのレンズをご紹介します。
PanasonicのLumix(ルミックス)シリーズのカメラは動画撮影に強みがあります。
動画はどんなレンズでも撮影することができます。一方で、より動画撮影に向いているレンズというのがあるのも事実です。
では、どんなレンズが動画撮影に向いているのでしょう?
例えば、以下の要素を持つレンズです。
- 軽い
- コンパクト
- F値固定
- AF動作音が静か
- 手振れ補正搭載
他にもポートレート撮影であれば被写界深度の浅いF値の低いレンズ、MFでの撮影であれば、フォーカス合わせの際に画角が変化する「ブリージング」という現象を抑えたレンズなどですかね。
詳しく見ていきましょう。
動画撮影にオススメのLUMIX Gシリーズレンズ(ズームレンズ編)
まずはズームレンズから紹介します。
LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm / F2.8-4.0 ASPH.
35mm換算で16mmから36mmの撮影距離をカバーする超広角ズームレンズです。
超広角レンズに分類されますが、重さはたったの315gしかありません。私はLUMIXの他にソニーのαシリーズも所有していますが、ソニーの同等スペックのレンズである「Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSS」と重さを比べてみましょう。
LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm / F2.8-4.0 ASPH. | Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSS | |
重さ | 315g | 518g |
Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSSの方が 1.6倍ほど重い ですね。レンズを小型軽量に設計しやすいマイクロフォーサーズの利点を最大限に活かしたレンズと言えます(ソニーのレンズも十分軽いけど)
さらに、広角側でのF値は最大で2.8と一部スペックでは Vario-Tessar T* FE 16-35mm F4 ZA OSS を上回っています。もちろん被写界深度だけを考えると マイクロフォーサーズのF2.8 < フルサイズのF4 ではありますし、動画撮影においては F値は変動より固定の方が有利 であることが多いです。
ただ、それでもF4より明るいF値が使えるというのはいざという時便利ですね。普段はF4通しのレンズとして使えばF値変動のデメリットはなくなりますし。
私はこちらのレンズは 主に日中のジンバル用 として使用しています。
LEICA DG VARIO-SUMMILUX 10-25mm / F1.7 ASPH.
35mm換算20mmから50mmをカバーする広角〜標準ズームレンズです。
最大の特徴は F1.7通しというお化けスペック でしょうか。ズーム全域でF値はF1.7で固定です。マイクロフォーサーズだからこそ実現できたレンズと言って良いでしょう。
王道の標準ズームレンズである24-70mm F2.8と比べると、テレ側のズーム域が狭いですが、その分広角側に強いレンズとなっています。
また、このレンズは動画撮影を強く意識したスペックになっています。
- 絞りリング搭載
- 20mm始まりという焦点距離
- ブリージング(ピント調整による画角の変化)の抑制
- フォーカスクラッチ機構(AF/MFの切り替えを簡単に行える機能)の搭載
- インナーフォーカス(フォーカシングでレンズの全長が変化しない)
もちろん、20mm-50mmという画角はスチル撮影でも非常に使いやすい画角ですので、写真撮影でも大活躍のレンズです。
注意点としては、F1.7通しは確かに凄いのですが、あくまで マイクロフォーサーズのF1.7 だということです。ボケ量だけを考えると フルサイズのF3.4と同等 になります。
これを多いと取るか少ないと取るかは人によりけりですが、フルサイズのF値開放時のようなボケを実現できるレンズではないです。
また、これだけのスペックを実現していますので、レンズ本体の重量は 690g と マイクロフォーサーズレンズとしてはかなり重い です。
幸いLUMIX G9やGH5などのカメラはマイクロフォーサーズと言えどソニーのαシリーズ程度の重さと大きさがありますので、重量バランスは悪くありません。
ただ、逆をいうとこのレンズを使っている時は、マイクロフォーサーズの利点である フットワークの軽さはある程度失われる と考えておいた方が良いでしょう。
LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S.
LUMIX Gシリーズの初めの一本としても非常に人気のあるレンズです。
35mm換算で24-120mmの画角をカバーしています。5倍という広いズームレンジに明るいF値、さらに手振れ補正も搭載、おまけに最短撮影距離は0.2mでかなり寄れますので、弱点らしい弱点がありません。
F値が固定でないのは動画撮影としては残念ポイントとも言えますが、普段はF4固定レンズとして扱って、いざという時より低いF値が使えると考えると非常に便利なレンズです。
これだけのスペックを実現しているレンズですが、重量はたったの 320g しかありません。マイクロフォーサーズの強みが活かされているレンズの一本です。
LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm / F2.8-4.0 ASPH. | FE 24-105mm F4 G OSS. | |
重さ | 320g | 663g |
またまた私が所有しているソニーの同等スペックレンズである「FE 24-105mm F4 G OSS.」と比べてみました。ソニーの方が 約2倍重い ですね。ソニーが重いというより マイクロフォーサーズが軽過ぎる という感じでしょうか。
LEICA DG VARIO-SUMMILUX 25-50mm / F1.7 ASPH.
おばけレンズその2。
35mm換算50-100mm相当の中望遠ズームレンズです。こちらも全てのレンジで開放F値が1.7という明るさを実現しています。
50mmから100mmと言えば ポートレート撮影でも定番の画角 ですよね。マイクロフォーサーズのF1.7ですので、フルサイズ換算でF3.4相当のボケ量になります。が、望遠域のF3.4相当ですので、マイクロフォーサーズと言えど結構ボケます。
10-25で挙げた特徴はこちらのレンズにも当てはまりますので、動画撮影を強く意識したレンズ に仕上がっています。
マイクロフォーサーズレンズとしては大きく重いのが欠点ですが、 ジンバルも手持ちもどちらの撮影もそつなくこなせる 優等生レンズですね。
というか今からマイクロフォーサーズで動画撮るならこのレンズと10-25レンズだけあれば良いんじゃないかと思ったり。。サイズ感がほとんど同じなので ジンバルのバランス調整もしやすい はず。
価格が高いことに目を瞑れば(瞑って良いのか?)良い選択肢だと思うんですが。
動画撮影にオススメのLUMIX Gシリーズレンズ(単焦点レンズ編)
続いて単焦点レンズです。マイクロフォーサーズの場合、背景をボカすためには低いF値が必須です
よって、フルサイズ以上に単焦点レンズ選びは重要になります。
LEICA DG SUMMILUX 12mm / F1.4 ASPH.
35mm換算24mmの単焦点広角レンズです。
F1.4という明るさにも関わらず重さは 335g と小さくてコンパクトなレンズです。
24mmという画角は標準ズームレンズの広角側に採用されることが多いように、どんな場面でも使いやすい自然な画角ですので、動画撮影でも風景から人物撮影まで幅広いシーンで活用することができます。
また、F値1.4という非常に明るいレンズですので、夜間の撮影なんかにも非常に使いやすいです。
レンズ自体が軽量コンパクトですので、ほとんどのカメラ用ジンバルに載せることができるでしょう。
LEICA DG SUMMILUX 25mm / F1.4 II ASPH.
35mm換算50mmの単焦点標準レンズです。
やはり50mmという焦点距離のレンズは一本は持っておきたいですね。
ボケ量は フルサイズ換算でF2.8相当 ですので、マイクロフォーサーズと言えどなかなかのボケ量です。動画撮影としては 背景をボカしたポートレート撮影やシネマティックvlogの撮影 なんかに活用できます。
・・・とここまで言っておいて、欲を言えばもう少し低いF値が欲しいと思ってしまう気持ちもあります。マイクロフォーサーズだけで全てを完結させるのであれば、背景を大きくボカすことができるレンズ というのは持っておきたいところ。
そんな場合、レンズとボディの相性が心配な面はあるのですが、場合によってはオリンパスの同等スペックのレンズである「M.ZUIKO DIGITAL ED 25mm F1.2 PRO」を選択肢に入れても良いかもしれません。
LEICA DG NOCTICRON 42.5mm / F1.2 ASPH. / POWER O.I.S.
35mm換算85mmの中望遠レンズ。
パナのレンズとしては 最も明るいF1.2のF値を持つ 唯一のレンズです。
ボケ量はフルサイズ換算でも2.4相当ですし、中望遠という画角の特性上 マイクロフォーサーズとしてもかなり背景をボカす ことができます。
動画撮影用としては若干画角が狭過ぎる気もしますが、被写界深度を浅くした映像が撮りたいならこれ一択 といって良いでしょう。
マクロレンズ
マイクロフォーサーズは寄れるレンズが多いので、擬似的なマクロとして使えるレンズがたくさんあります。
が、やはり本格的なマクロ撮影用としてマクロレンズは持っておくと撮影の幅が広がります。
LEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm / F2.8 ASPH. / MEGA O.I.S.
35mm換算90mmのマクロレンズです。
パナのマクロレンズは選択肢があまりなく、このレンズか「LUMIX G MACRO 30mm / F2.8 ASPH.」しか選択肢がありません。中望遠マクロとしてはこれ一択です。
どちらのレンズの方が動画撮影に向いているかと言えば、状況によりけりなのですが、ワーキングディスタンスが長い 中望遠マクロの方が動画撮影には活躍させやすいかと。
F値は2.8ですが、中望遠マクロなのでそこそこボケます。
むしろ、フルサイズのマクロレンズはある意味ボケ量が多すぎる とも言えますので、適度に被写界深度が深いマイクロフォーサーズのマクロレンズは使いやすいかもしれません。
実はこのレンズ、発売当初は評判があまり良くありませんでした。
批判的な理由の大半は価格に対するものでしたので、レンズに対する評価と言えるかは微妙ですが、発売から月日が経った2021年12月現在、それなりに安く入手できるようになってきていますので、今の状況であれば評価は変わっているかもしれません。
まとめ
まとめると、本日の内容は以下の通りです。
ズームレンズ
- LEICA DG VARIO-ELMARIT 8-18mm / F2.8-4.0 ASPH.
- LEICA DG VARIO-SUMMILUX 10-25mm / F1.7 ASPH.
- LEICA DG VARIO-ELMARIT 12-60mm / F2.8-4.0 ASPH. / POWER O.I.S.
- LEICA DG VARIO-SUMMILUX 25-50mm / F1.7 ASPH.
単焦点レンズ
- LEICA DG SUMMILUX 12mm / F1.4 ASPH.
- LEICA DG SUMMILUX 25mm / F1.4 II ASPH.
- LEICA DG NOCTICRON 42.5mm / F1.2 ASPH. / POWER O.I.S.
マクロレンズ
- LEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm / F2.8 ASPH. / MEGA O.I.S.
LUMIXシリーズのカメラで動画始めたいなと思っている方に参考にしてもらいたいなと思います。
本日は以上です。