富士フィルムが40MP高解像度モデル「X-H2」を発表

大盛況に終わったX Summit OMIYA 2022の最後に、富士フィルムから気になるカメラの開発が発表されました。

実は、第5世代Xシステムは、もう一つパワフルなデバイスを開発中です。それは、本日ご紹介した積層型センサー "X-Trans CMOS 5 HS" と対になる存在、高解像40MPセンサー "X-Trans CMOS 5 HR" です。X-Trans CMOS 5 HSは、スピードに優れAPSの機動力を高めたセンサーですが、X-Trans CMOS 5 HRは、フォーマットの枠を超えた超高画質を実現するセンサーです。いずれもパワフルなデバイスですが、これに相応しいプラットフォームはまず、これをおいて他にないでしょう。"H2"です。

X Summit OMIYA 2022

ついにAPS-Cカメラにも40MPの高画素センサーが搭載される時代になりました。フルサイズですら少し前まで主流は20MP前後だったのを考えると、技術の進歩の速さに驚きます。

今回、富士フィルムは「X-H2S」を先に発表しています。末尾にアルファベットがつくとついつい派生機みたいな印象を持ちますが、富士フィルムとしてはX-H2とX-H2Sは対になる存在で、片方がメインでもう片方は派生、という考え方はしていないのだと思います。

しかし、アルファベットがつかない「X-H2」の方に、これまで類を見ない40MPのセンサーを搭載させるということは、今後富士フィルムのAPS-Cカメラも、主流は高解像度モデルになっていくのかもしれません。

センサーの画素数が高いと、当然撮影できる写真の解像度が高くなり、より質感の高いリアルな写真の撮影に有利になります。一方で、センサーサイズはAPS-Cサイズというのは変わらないため、センサー1画素あたりに当たる光の量は画素数が高いほど少なくなります。こうなると、暗所での撮影が不利になったり、写真にノイズが載りやすくなったりするため、単純に高画素であれば画質そのものが高くなるわけではありません。ただ、この辺りは富士フィルムも重々承知してるでしょうし、そのあたりは画像処理で克服できると判断したからこそ、こうして40MPという高解像度のカメラが開発されているのでしょう。

APS-Cで40MPというのはちょっと想像がつきませんね。どんな写真が撮れるのでしょう。。

ちなみに、私が現在メインで使っているカメラは、中判センサーを搭載している「HASSELBLAD X1D-50c」なのですが、画素数は50MPです。フルサイズよりも大きなセンサーのカメラと、APS-Cセンサーを搭載しているカメラの画素数の差が10MP程しかないというのはちょっと驚きですね。

現在のカメラのトレンドとして、高解像度モデルが主流となっています。ソニーのα1やニコンのZ9など、各社のフラッグシップモデルは高画素センサー搭載が当たり前になりつつあります。この流れは、APS-C機を開発している富士フィルムでも無視できなかったのでしょう。

個人的に画素数は高い方がクロップ耐性も上がるので良いのですが、少し気になるのは、これまで富士フィルムで作られてきたXマウントレンズが、40MPという解像度に耐えられるかという点です。

最近発売されたレンズはともかく、初期に開発されたレンズは40MPという高画素機での使用は想定していないのではと思います。実際のところ、そのようなケースで画質が気になることはほとんどないと思います。60MPのライカM11で、喜んでフィルムカメラ時代のオールドレンズを普通に使っている方がいるのと同じです。ただ、そうはいっても、最適化されたレンズで撮るのがベストなのは間違いありません。

富士フィルムが、今後もこのような高解像度のモデルを開発していくのか現時点では何とも言えませんが、おそらくこの1台で終わるはずもなく、であれば、高解像度モデルに最適化されたレンズの開発は避けられrないはずです。

あと、気になるのはお値段ですよね。X-H2Sはボディ単体で店頭予想価格が35万円前後という、APS-Cカメラとしては非常にお高い値段設定です。X-H2についてもこれより安くなるということはなく、むしろ高くなるのではないかと予想します。そんな高いカメラをユーザーが支持して購入してくれるかどうかは、X-H2に革新的な機能をどれだけ搭載することができるか次第といったところでしょうか。


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