Hasselblad X1D-50c用として新たに『XCD 35-75mm F3.5-4.5』を入手しました。
これはHasselblad X1D-50cで使える中で唯一のズームレンズになります。ズームレンジは狭いですが、35mm換算で28mmから58mmまでを一本でカバーしてくれますので、風景からポートレートまで、ある程度どんな被写体でも幅広く活躍させることができるレンズではないかと思います。
Hasselblad X1D-50cは非常に癖の強いカメラです。写りは素晴らしいのですが、弱点も多く、中でも最大の弱みと言えるのが「レンズがとにかく高い」ことではないでしょうか。
ほとんどのレンズは新品価格で50万円以上しますからね。プロの使用を想定しているカメラなので、そこは仕方ないのかもしれませんが。
色々使ってみたいレンズはあるのですが、そんな高価なレンズをホイホイ買えるわけもなく、いくつかの画角を一本でカバーしてくれるこのレンズは、Hasselblad Xマウントとしては貴重な存在なのではと思います。
スペック
名称 | XCD 3,5-4,5/35-75 |
レンズマウント | Hasselblad Xマウント |
焦点距離 | 35-75mm(35mm換算:28-58mm) |
開放絞り | F3.5-4.5 |
最小絞り | F22 |
レンズ構成 | 13群15枚 |
最短撮影距離 | 0.42m |
最大撮影倍率 | 1:8.5 |
フィルター径 | 77mm |
最大径x長さ | 85 × 145 mm |
質量(重さ) | 1115g |
中判ミラーレス用のレンズ、それもズームレンズになりますので、大きく重いレンズになります。重さは1115g とずっしりきますし、屋外で気軽に使う気持ちにはさせてくれません。
ただ、一本で28mm、35mm、50mmといった主要な画角をカバーしてくれる快適さはこのレンズ唯一ですので、これ一本を付けて屋外で撮影するというスタイルも意外に悪くなかったりします。
外観
カメラが薄いため、重量バランスはかなりフロントヘビーになります。
ただ、Hasselblad X1D-50cのグリップはかなり持ちやすい形状をしていますので、思ったほど持ちにくいとは感じないです。
ポイント
XCD 35-75mm F3.5-4.5を使う上で感じたポイントについてまとめてみます。
XCDレンズ唯一のズームレンズ
なんと言っても、まずはXマウント唯一のズームレンズというのが外せないポイントです。
ワイド端が35mm換算で28mmというのはやや狭いのですが、それでもこれ一本で広角から中望遠程度までをカバーして撮影できるのは、このレンズの大きな強みです。
特に、中判用のレンズはどうしても大きなものが多いため、複数本持ち歩くとなるとかなりの負担になってしまいます。その点、XCD 35-75mm F3.5-4.5であれば、そう言った負担をある程度は和らげることが可能です(まぁ重いは重いのですが)
このレンズも新品だと50万円ほどしますので、決して買いやすいというわけではないのですが、他のレンズも決して安くないので、Hasselblad Xマウントの中だけで考えると、このレンズをとりあえず一本持っておくというのは有用なのではないかと思います。
インナーズーム
XCD 35-75mm F3.5-4.5は、レンズのズーミングによる全長が変化しない「インナーズーム」方式を採用しているレンズです。
個人的にレンズのズームはインナーズームの方が好きなため、これは使っていて嬉しいポイントになります。
インナーズームだとズームレンジによって重量バランスが変化しないのでジンバルや三脚に載せた時のバランス感覚が崩れない、被写体に接触しすぎてレンズの先端にぶつけてしまう、といったトラブルを防ぐことができます(どちらもこのレンズでは不要な心配かもしれませんが)
作例
まとめ
Hasselblad X1D-50cの2本目のレンズとして、XCD 35-75mm F3.5-4.5はなかなか便利だというのが総合的な感想です。
気軽にレンズを増やせるマウントではないので、ハッセルを使ってある程度色々撮りたいのであれば、このレンズの導入を割と本気でおすすめします。
・・・とは言っても、やはり高いとは思いますけどね。
もう少し安いレンズが出てくれると、ハッセルの中判も盛り上がってくれると思うのですが。