単焦点レンズ、良いですよね。ズームレンズと違い画角を変えることはできませんが、その分その画角に最適化された写りの良さと大きくボケるF値は、単焦点レンズでしか味わうことができません。
私は今でこそズームレンズをよく使うようになりましたが、これまではどちらかといえば単焦点レンズ、特に50mmの標準単焦点レンズばかり使っていた時もあります。
ソニーのミラーレスを使い始めてからは、初めの一本こそFE 35mm F1.8(SEL35F18F)でしたが、それ以降は基本的にズームレンズばかり使っています。以前とは異なり、色々な被写体を撮るようになってきたため、対応の幅が広いズームレンズの方が使いやすいんですよね。
とはいえ、やはり一番好きな画角は50mmということに変わりはありません。PENTAXの名レンズ『HD PENTAX-D FA* 50mm F1.4 SDM AW』を使い込んでいたこともあり、性能の良い標準単焦点レンズが欲しいとずっと思っていました。
Eマウントレンズで筆頭候補となるのは、やはり最上位「G Master」シリーズの称号を持っている『FE 50mm F1.2 GM(SEL50F12GM)』です。比較的最近に発売されたレンズだけあり、5000万画素を超えるα1で使っても全く問題になりません。しかも、F1.2の大口径レンズとしてはかなり大きさと重さを抑えたモデルとなっており、取り回しの良さという面でも魅力的な選択肢です。
ただ、ネックとなるのは20万円を超える価格です。さすがに最近散財が激しいこともあり、そうポンポン高級レンズを変えるわけもなく、今回については候補から外さざるをえませんでした。そこで、次の候補となったのが、今回購入した『Planar T* FE 50mm F1.4 ZA(SEL50F14Z)』発売から5年ほど経過しているレンズですが、F1.4と明るさは十分、「ツァイス」ブランドのレンズという、SEL50F12Fにない価値もあり、必要十分な性能を有しています。
というわけで、今回は『SONY Planar T* FE 50mm F1.4 ZA(SEL50F14Z)』のレビューについてご紹介します。α1のような新しいカメラに、5年前のレンズはどれだけ通用するのか、見ていきたいと思います。
大口径単焦点標準レンズ『SONY Planar T* FE 50mm F1.4 ZA(SEL50F14Z)』レビュー
レンズ外観はこんな感じ。ツァイスのレンズとはいえ、ソニー Eマウント向けレンズとして発売されていますので見た目はソニー製レンズとあまり変わりありません。
絞りリングがついているのはいかにもツァイスという感じがして好きですが、実用面的にはカメラから絞りを変えた方が素早いため、私はあまり使わないかもしれません。
レンズ単体だと大きさのイメージはつきにくいかもしれませんが、同じ単焦点レンズの『FE 35mm F1.8(SEL35F18F)』と比べるとこれぐらい違います。さすがはF1.4の大口径レンズです。
まぁ画角もスペックも異なるレンズ同士を比べても仕方ないのですが、あくまで参考まで。
重量は778gですので、それほど重いというわけではありません。とはいえ、使うカメラにもよりますが、例えばフルサイズのカメラ本体と合わせると重量は1kgを超えるため、気軽にお散歩用途として使うのには向いていません。
私はPENTAX K-1 IIとHD PENTAX-D FA* 50mm F1.4 SDM AWのペアでも気にせずスナップしたりしますので、これぐらいであれば問題なく使用できますが。
SONY Planar T* FE 50mm F1.4 ZA(SEL50F14Z)の作例・サンプル
さすがツァイスのレンズだけあり、写りには全く不満がありませんね。コントラストが高めの写りも含めて、結構好みの描写です。
花の先にピントを合わせてみました。少々ボケがうるさい感じもしますが、これは撮り方次第な面もあると思うため、色々工夫してみたいと思います。
AF性能については5年前のレンズと言うこともあり、さすがに最近のレンズと比べると不満に感じることが多いです。動き回る子供の撮影にはあまり向いていないかもしれません。
なんとなく秋を感じさせる描写です。α1のJPEG撮って出しなのですが、十分絵になる写りをしていますね。
開放F1.4にて撮影してみました。開放から描写の甘さはあまり感じません。とはいえ、最近のレンズのように開放からカリカリにシャープという感じでもないかもしれませんが。個人的にはバランス良くて好みです。
ボケはピントの合っている面だけを浮かび上がらせるというよりは、なだらかにボケていく感じですかね。これがレンズに柔らかい印象を与えているのかもしれません。女性ポートレート撮影とかで使いたいレンズですね。
割と遠くからフナムシを撮影。拡大してみると、フナムシの目まで鮮明に写っています。この辺りの解像感はさすがα1と行った感じですが、SEL50F14Zもα1のような高画素気でも十分通用する解像力を持っていることがわかります。
風景なんかも撮れる万能性が50mmレンズの良い点です。ツァイスのレンズは風景撮影とも相性バッチリですね。
まとめ
というわけで、本日は『SONY Planar T* FE 50mm F1.4 ZA(SEL50F14Z)』のレビューをご紹介しました。
5年前という少し発売から経っているレンズではありますが、使ってみた感じとしては2021年現在も第一線で活躍させることができる良レンズです。α1やα7R IVのような高画素気であっても、問題なく使用できるかと思います。
重量は少々重めですが、それでも700gほどですので、持ち歩くことに全く向いていないというほどではありません。
50mmという画角は人物から風景まで、あらゆる場面で活躍できる万能レンズですので、今後も色々と撮影してみたいと思います。