タムロンから面白いEマウントレンズの開発発表がありましたね。
その名も『35-150mm F/2-2.8 Di III VXD (Model A058)』といい、F2始まりで準広角の35mmから望遠の150mmまでのズームレンジをカバーするという、これまでありそうでなかったレンズです。
35mm〜150mmというのは、ポートレートでよく使われる画角ですので、まさに『ポートレートズーム』と呼ぶに相応しいレンズになっていますね。
タムロンでは、同様のコンセプトを持つレンズとして『35-150mm F/2.8-4 Di VC OSD』が発売されていますが、そこからさらにワンランクスペックを上げてきたという印象です。
本日は、そんな『ポートレーズズーム』で注目すべきポイントについてご紹介したいと思います。
35-150mm F/2-2.8 Di III VXDの気になるポイント
F2-2.8の大口径ズームレンズ
F2始まりのズームレンズってほとんどないんですよね。一般的な大三元のズームレンズでも、F値は2.8通しであることが多いです(キャノンRFマウントの『RF28-70mm F2 L USM』みたいな例外もありますが)。
F値は低ければ良いというものではないのですが、明るいレンズの方が背景をボカしやすい点や、逆に絞る余裕が生まれることもあり、一般的には歓迎されるのではないでしょうか。焦点距離ごとのF値がどのように変化するかにもよりますが、F2.8までであれば、室内や夜など、光があまり届かない環境でもレンズを絞る余裕が出てきますからね。
準広角35mmから150mmまで対応する広いズームレンジ
35mmから150mmといえば、ポートレートでよく使われる定番の焦点距離です。特に85mm〜135mmは、人物撮影に適した画角であるため、それに加えて35mmという背景を入れた撮影や、150mmというちょっと遠くを撮りたいという時、このレンズ一本でカバーしているという点は、非常に便利な点だと思います。
広角端で最短撮影距離0.33mと寄れる性能
一般的にズームレンズというのは、あまり被写体に近寄って撮るのが得意ではないのですが、『35-150mm F/2-2.8 Di III VXD (Model A058)』は広角端で最短撮影距離が0.33mmと、まずまず寄れる性能があります。
マクロレンズほどとはいえませんが、花や料理、物撮りなど、被写体に寄って撮影したい場合もある程度ならこなせるというのは嬉しいポイントです。
ちょっとサイズがでかい・・・?
タムロン公式ページでは、このレンズについて以下のような言及があります。
コンパクトなF2スタートズームレンズ
タムロン公式ページ
コンパクトと聞くと、シグマの「Iシリーズ」のようなものをついつい想像してしまいますが、実際F2から始まるズームレンズがそれほど小さいわけはないでしょう。
実際、タムロンUSAがインスタグラムに上げている『35-150mm F/2-2.8 Di III VXD (Model A058)』を見ると、そこそこの大きさをしていることが分かります。
![](https://kiseki35.com/wp-content/uploads/2021/08/tamron_35-150F2-2.8_RW_001.jpg)
この写真の一番左が『35-150mm F/2-2.8 Di III VXD (Model A058)』ですね。だいたい大三元のズームレンズと同程度の大きさでしょうか。まぁ、大三元ズームレンズより明るいF値、広いズームレンジをカバーしているにも関わらず、サイズが大三元と同程度というのは十分すごいのですが。
大三元レベルのサイズ感であれば、気軽にどこにでも持っていけるとはにいえません。ソニーのカメラはサイズが小さいこともあり、重量バランスなども気になるところです。
気になるところはあるけどすごく使ってみたい!
大きさなどネガティブなポイントはあるものの、全体を通して非常に優れたレンズの予感がビンビンしています。うーむ、これは使ってみたい。公式発表によれば光学性能にも拘っているということですので、α1での使用にも耐えうるはず。
気になるのはお値段ですよね。タムロンはどちらかといえば価格を抑えたコストパフォーマンスに定評のあるレンズが多いので、『35-150mm F/2-2.8 Di III VXD (Model A058)』についても期待したいところです。
10万円前後で出るのか、もしくはワンランク上の価格となるのかで評価が分かれそうです。