初心者さん必見!知識ゼロから学ぶフィルムカメラのはじめかた

昨今、フィルムカメラの人気は高まっているらしいです。デジタルカメラやスマホのカメラでは撮れない「エモい」雰囲気の写真を撮れるところが受けているみたいですね。

ただ、デジタルカメラしか使ったことがないと、フィルムカメラって分からないことだらけ。必要なものは何なのか、どんなカメラを買えばいいのか、悩んでしまいますよね。

そこで本日は、フィルムカメラを使った出張撮影サービスをやっている私が、フィルムカメラとは何なのか、フィルムカメラにはどんな種類があるのか、フィルムカメラをはじめる時に必要になるものなどについて解説したいと思います。

目次

フィルムカメラとは?

そもそもフィルムカメラとは何なのか。普段スマホやデジカメでしか写真を撮らないと、何のことかちんぷんかんぷんですよね。

フィルムカメラとは、センサーではなく装填したフィルムを感光させて象を得るカメラのことをいいます。

レンズから取り入れた光がフィルムに当たり、フィルムに含まれる銀塩が反応することで像を作り出します。撮影した写真は暗室の中で、現像液を使用して印画紙にプリントすることで現像ができます。デジタルカメラに比べ、淡い色合いで粒状感のある写真を撮れるのが、フィルムカメラの魅力です。

フィルムカメラの種類

一口にフィルムカメラと言っても、レンズ交換式のカメラから、コンパクトカメラのような小さいものまで、その種類は多種多様です。

実際にフィルムカメラにはどんな種類があるのかをまとめてみました。

一眼レフ

フィルムカメラと聞いて、一番始めに思い浮かぶのが一眼レフではないでしょうか。
後にデジタル一眼レフ、ミラーレス一眼レフへと進化していく、最もオーソドックスなカメラです。
撮りたい被写体や撮影内容に応じて、広角から望遠までの様々なレンズを交換して写真撮影を楽しむことができます。

電池などを一切必要としない代わりに全ての設定を自分で行う「マニュアル一眼レフ」や、電池は必要になるけど露出設定やフィルムの装填、巻き取りなどを自動でしてくれる「オート一眼レフ」があります。

初心者の場合、面倒なフィルム装填や巻き取り、露出の設定を自動でしてくれる「オート一眼レフ」がおすすめです。一方で、フィルムの巻き取りなど、機械を使う楽しさを体験したいという場合「マニュアル一眼レフ」が良いかもしれません。

風景やストリートスナップ、動物やポートレートなど、レンズを交換することでどんな被写体でも撮影することができる、万能なカメラです。

二眼レフ

二眼レフは「撮影用レンズ」と「ファインダー用レンズ」が分かれており、レンズが2個ついているのが特徴です。
現代のカメラにはない独自の見た目がとてもカッコいいですよね。

また、撮影方法も独特で、カメラの上から覗き見る様にしてファインダーを確認するので、撮られている人から見ると、おじぎをしているように見えます。その独特の格好がなんだか可愛らしく、近年人気が高まっています。

カメラを向けられている感じがしないため、写真を撮られ慣れていない人でも自然な表情を撮影しやすく、ポートレートに適したカメラと言われています。

二眼レフでは120mmフィルム(ブローニーフィルム)と言う、一眼レフ用の35mmフィルムよりも少し大きなフィルムを用いて撮影するのが一般的です。フィルムが大きい分、解像度の高い写真を撮影することが可能です。フィルムを使いたいけど、デジカメみたいにシャープでパキッとした写りの写真が撮りたい!と言う方にもおすすめなカメラですね。

コンパクトカメラ

コンデジの元祖、コンパクトフィルムカメラです。

物によっては非常にコンパクトで、スマホよりも小さいサイズのカメラも存在します。一眼レフと異なり、レンズはカメラと一体となっているため、あらゆる被写体を撮影できるわけではありませんが、どこにでも持っていけるフットワークの軽さが強みです。

一眼レフと同じく全ての設定を自分で行う「マニュアルコンパクトカメラ」と、電池が必要な代わりに面倒な操作をカメラがフォローしてくれる「オートコンパクトカメラ」が存在します。

欠点は、近年人気が高まっており、特に人気な一部の機種は、値段が非常に高騰していることでしょうか。

ストリートスナップや日常撮りなど、大きなカメラでは目立つ様な場所で使いやすいカメラです。

レンジファインダー

一言でいえば「ライカ」のカメラが採用している方式のカメラです。一眼レフが生まれる前は主流だったフィルムカメラです。

レンズは全てマニュアルレンズのため、ピント合わせは全て手作業で行う必要があります。しかし、レンジファインダーの強みとして、レンズやカメラ本体を非常にコンパクトに作ることができます。これほど小さいレンズ交換式のカメラは、一眼レフでは決して作ることはできません。また、レンズの光学性能は飛び抜けてよく、俗にいうオールドレンズと呼ばれる古いレンズだとしても、現代の最新カメラの解像度についていけるほどの性能を持っています。

総じてマニア向けのカメラと言えますが、フィルムカメラ愛好家なら一度は使ってみたいカメラでもあります。

中判カメラ

120mmフィルム(ブローニーフィルム)という、一眼レフなどで使う35mmフィルムよりも大きなフィルムを用いて撮影するフィルムカメラです。

フィルムが大きい分、レンズを通して入ってくる光の量も多いため、35mmフィルムよりも解像度の高い美しい写真を撮影することができます。その解像度の高さは、現在のミラーレス一眼などと比べても引けをとりません。

二眼レフも中判カメラの一種だったりします。中判カメラは各メーカーがいろいろな構造のカメラを作っており、その違いを見るのも面白いですね。

欠点は、ただでさえ高めのフィルム現像に、35mmフィルム以上にコストがかかってしまうことでしょうか。ここぞという特別な写真を撮りたい時に使うのがおすすめです。

大判カメラ

中判カメラよりもさらに大きな「4×5フィルム(シノゴ)」を使用するカメラです。35mmフィルムと比べて13倍大きなフィルムでの撮影は、圧倒的な情報量による繊細な表現が可能です。

フィルムカメラの極地ですね。今でも一部熱狂的なファンが撮影を楽しんでいたりします。

使い捨てカメラ

ひと昔前の旅行の定番、使い捨てカメラです。写ルンですが有名ですが、コダックなど他メーカーからも発売されています。

他のカメラと異なり、フィルム交換ができず、一度撮影したらカメラごと現像に出して終わり、という使い方をします。
追加で写真を撮りたい場合、またカメラ本体ごと購入する必要があります。

正確には「レンズ付きフィルム」という商品で、レンズにフィルムがくっついている商品なんですね。

そんな使い捨てカメラの強みは、圧倒的な軽さとコンパクトさ、誰でも失敗することなくフィルム写真が撮れる手軽さにあります。その手軽さから、近年人気が再燃してきています。

旅行やお散歩のお供として、気軽さ撮影を楽しむのに向いているカメラです。

インスタントカメラ

俗に言うポラロイドカメラや、富士フィルムの「チェキ」シリーズが有名ですよね。

こちらはフィルムカメラと言っても、上記のカメラ郡とは少し勝手が異なる商品です。通常のフィルムカメラは、写真を撮り終わったあと、現像所などでフィルムを「現像」しないと写真を見ることができません。しかし、インスタントカメラでは、撮影直後に自動で現像が始まるフィルムを使用します。

そのため、撮影したその場で写真を確認したり、パーティーでコメントを書いてプレゼントしたりすることができるのが特徴です。クラシカルなものやカラフルな見た目が多い反面、フィルムの面積が大きくかさばりがちなサイズが難点ですが、シンプルな操作で、初心者でも簡単に独特な風合いの写真を撮ることができます。

パーティなどで使えば盛り上がること間違いなしです。

フィルムカメラを始めるときに必要になるもの

カメラ本体

これがなくちゃ始まらない、カメラ本体です。レンズ交換式カメラの場合、別途レンズが必要となります。

コンパクトカメラの場合、レンズはカメラ本体とくっついていますので、カメラだけ買えば、あとはフィルムがあれば写真を撮れるというわけですね。

レンズ

カメラと共に必要になってくるのが、カメラ用のレンズです。

レンズには焦点距離を変更できる「ズームレンズ」、焦点距離を変更できない「単焦点レンズ」があります。また、レンズには「焦点距離」「F値」などが決まっており、それに応じて大きさや重さもまちまちです。撮りたい被写体に応じて様々なレンズを用いて撮影します。

CanonやNikonなど、カメラメーカーごとに規格が決まっているため、例えばCanonのカメラにNikonのレンズを取り付けることはできません(マウントアダプターを使えば別)。

はじめの一本として持つなら「標準レンズ」と呼ばれる、35mmや50mmの単焦点レンズを購入するのがオススメです。

フィルム

これがないフィルムカメラはただの文鎮、フィルムカメラにとっての心臓です。一眼レフなどで使われる「35mmフィルム」と中判カメラで使われる「120mmフィルム」などがあります。

また、フィルムにはISO100やISO400など、ISOが決められており、基本的にこのISOの数字が大きい方が暗いところで写真が撮りやすいという性質があります。

一般的にISO400ぐらいのフィルムであれば、日中から室内、場合によっては夜でも撮影できますので、まずはISO400のフィルムから始めるのが良いかと思います。

フィルムごとに様々な写りの特徴があり、自分の好きな写りをしてくれるフィルムを探すのもフィルムカメラの楽しみ方の一つです。

その他:電池、ストラップ、ケースなど

必ずしも必要というわけではありませんが、オートで動いてくれるカメラの場合、電池が必要となります。

その他、カメラストラップやカメラケースなどがあれば、大切なカメラの落下防止につながりますので、カメラ故障のリスクを減らすことができます。

まとめ

いかがだったでしょうか。

今回は、フィルムカメラ初心者向けに、フィルムカメラの種類や、フィルムカメラを始めるときに必要になるものをまとめてみました。

何でもデジタルで済ませられる今だからこそ、あえてフィルムのようなレトロを楽しむという考えもアリなのではないでしょうか。

私もフィルムカメラを初めて1年ほどですので、今後も続けていければなぁと思います。


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