動画機として見るソニー α1(ILCE-1)の良いところ5つと悪いところ2つ

α1を購入して半年が経過しました。

もともと、野鳥をガチ撮りしたいなと思い購入したα1ですが、それだけに使うのはもったいないというもの。

色々な撮影で大活躍してくれています。

α1といえば、ソニーが初めてフラッグシップとして位置付けたフルサイズミラーレスカメラです。

中身を見るとプロも納得のスペックであることは今更いうまでもないことなのですが、30コマ/秒の連写性能や瞳AFなど、スチル撮影機としての性能が目立っている気がします(瞳AFは動画でも使えますが)

ただ、このα1、動画性能もかなり凄いです。

公式サイトより引用

4K60Pや4K120Pなど、α7S III同等の撮影性能を持っています。

さらに、5100万画素という画素数の高さを活かし、8K30P、5.8Kオーバーサンプリング(Super 35mm)4Kでの撮影といった、一部の性能はα7S IIIを上回っています。

α1は価格が高過ぎという意見もあるかと思いますが、写真撮影と動画撮影のどちらも高い水準で使うことができるカメラとして、唯一無二の存在です。

最近はCanonのEOS R3やNikon Z9といったカメラが同等のスペックを達成してきていますが、それでもボディサイズの小ささでは大きなアドバンテージがあり、ジンバルでの撮影のしやすさなどを考慮すると、まだまだ請求力が強いカメラだなと感じています。

今回は、そんなα1の動画撮影機としての良い点5つと、悪い点2つについてまとめてみました。

目次

動画撮影機として見た時のα1の良いところ

4K120fpsでのハイフレームレート動画撮影

4K120fpsのフレームレートで撮影できるカメラというのは ほとんど存在しません。一部のプロ向けのカメラがかろうじて搭載しているという状況です。

α1は、そんな数少ない 4K120fpsでの撮影が可能なカメラ の1つです。それだけでもα1が動画機として非常に高い性能を持っていることが分かりますよね。

4K120fpsで撮れるからと言って、全てのショットを120fpsで撮れば良いというわけではありません。 この性能が活きるのは主にスローモーションでの撮影を行う時 です。

一般的に、映画やテレビといった映像は24fps〜30fpsで撮影しています。この数字が大きければ大きいほど、よりスローにした映像を撮影することが可能です。

120fpsで撮影した場合、それを24fpsの動画に変換すると、最高で0.4倍速にした映像 を撮影することが可能になります。ここまでスローにできるとかなりゆったりとした映像になりますので、動画撮影として映像の幅を広げることが可能です。

アクションシーンやスポーツ撮影時など、ここぞという場面で活用したい 機能ですね。

8K30Pでの動画撮影

少し前まで4Kの動画撮影でも十分凄いといった印象でしたが、ついに 8Kでの動画撮影 が可能になりました。本当に技術の進歩というのは早いですね。

公式サイトより引用

市販のディスプレイの解像度はFHDもまだまだ現役で、8Kでの撮影はまだ不要である、という意見があります。

ただ、8Kでの撮影が活きるのは何も 再生時 だけではありません。

8Kで撮影しておけば、編集の時点で多少クロップしても、解像度が悪くなる心配がありません。また、擬似的なスライダーショットのような編集が入れやすくなり、結果として映像表現の幅を大きく広げることができるかと思います。

8Kでの撮影の場合、4:2:0 10bit撮影になったり(4:2:2 10bitじゃない)、[APS-C撮影]は[切]に固定されたりと、多少の制限はあるのですが、それを補って余りほどの 大きなメリット があります。

ネックとなるのは撮影後の編集でかなりのマシンパワーが要求されることでしょうか。ただ、それも プロキシー(後述で解説)の同時撮影を使うことで、フォローすることが可能になっています。

S-Cinetone

ソニーのα1には、ピクチャープロファイルとして"S-Cinetone"という、人肌を美しく見せる ことが可能なルックが搭載されています。これは、元々はソニーの業務用カメラである「FX9」や「FX6」に搭載されていたものです。

Logでの撮影をしなくてもかなり雰囲気のある色合いの映像 が撮影可能で、これを使いたいがためにソニーのカメラを使っているプロもいるほどです。

そういったプロ向けに作られたピクチャープロファイルを惜しげもなく搭載してくれているというのは嬉しいですね(α1もプロ向けといえばプロ向けなので当たり前かもですが)。

Logでの撮影が面倒な場合、とりあえずS-Cinetoneを使っておけば 間違いありません。

リアルタイム瞳AF

公式サイトより引用

ソニーのお家芸である瞳AFですが、もちろん 動画にも使用可能 です。特にリアルタイム瞳AFが動画でも使えるのは非常に便利で、使えないショットを量産してしまう危険性を大きく下げることができます。

特に、初心者のうちは動画でピントを合わせるというのが 結構難しく、それをカメラが高い水準でフォローしてくれるというのはかなり助かります。

プロキシーの同時記録

最近のカメラは動画撮影性能も高まっており、4K60Pぐらいは珍しくもなくなってきました。8Kでの撮影ができるカメラというのも徐々に増えてきています。

しかし、動画は写真のように 撮って終わり ではありません。撮影後の編集作業が残っています。

4K120Pや8Kで撮影した動画は、ファイルサイズが非常に大きくなり、編集の際に必要となるPCのマシンパワーも高いスペックが要求されます。

ソニーのカメラには、HD程度の 低ビットレートのプロキシー動画を同時に記録する機能 がついており、動画編集時はプロキシー動画を使うことで、低スペックのPCでも動画編集が可能です。

プロキシー動画を撮影の段階で同時に撮っておいてくれるのは めちゃくちゃ便利 ですよね。

動画撮影機として見た時のα1の悪いところ

モニターがチルト式

公式サイトより引用

α1は動画性能もα7S III並に高く、写真撮影機としても動画撮影機としても十分に活用できるカメラですが、どちらかといえば 写真撮影に重点をおいているカメラ なのかもしれません。

そのためなのか、モニターは バリアングルではなくチルト式 を採用しています。

個人的にチルト液晶の方が好きなのですが、動画撮影という観点だけ見るとバリアングルの方が便利であるのも事実です。

チルトとバリアングル論争は何年も前から続いており、どちらが優れている というものではありません。ただ、最近は動画撮影の需要が高まってきていますので、α1でも後継機にはバリアングル液晶が採用されるのかもしれませんね。

8Kなど負荷が高い長時間の撮影で熱停止する恐れ

私は遭遇したことがないのですが、α1で長時間8Kなどカメラの負荷が大きい撮影をすると、高温により熱停止 をしてしまう懸念があるようです。

それでも 30分以上の連続撮影は可能 ですので、問題に直面するケースというのはあまり多くないでしょう。

これは、α1の筐体が小さく、熱放出の性能は余り高くない ことが原因と思われます。

私の場合1カットあたり5秒〜15秒で撮影し、それを編集で繋いでいくスタイルの撮影ですので、この問題に遭遇することはありません。

ただ、インタビューやドキュメンタリーなど、長時間同じ映像を撮影し続けるような場合 では困ることも出てくるでしょう。つまり「どんな場面でも使える無敵のカメラではない」ということですね。

まとめ

本日は 動画撮影機 として見た時のα1の良いところと悪いところについてまとめてみました。

α1は動画撮影機として見ても 高い完成度を誇っているカメラ です。私もまだまだ、このカメラの全てを使いこなせているとはとても言えません。

もっと精進しなきゃですね。


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